大会長挨拶


第38回日本歯科東洋医学会学術大会の開催にあたって

第38回日本歯科東洋医学会学術大会
大会長  柿 木 保 明
九州歯科大学 老年障害者歯科学分野 教授

この度、第38回日本歯科東洋医学会学術大会を令和2年10月24日(土)および26日(日)の会期で、福岡県歯科医師会館において開催させていただくことになりました。

学術大会のテーマは「オーラルフレイルと東洋医学」といたしました。近年、歯科口腔疾患に対する漢方薬の有効性について、多くの報告がみられるようになりましたが、2017年には、文部科学省の歯学部モデルコアカリキュラムに、和漢薬が明記され、歯学部において漢方薬に関する教育を行うことが必要になりました。

一方、保険診療においても、口腔機能低下症および口腔機能発達不全症の病名が明記されたことで、口腔機能にも対しても、歯科が積極的に対応する時代となりました。
臨床の現場では、高齢者の多剤服用や生活環境の変化が、全身状態や口腔機能にも大きな影響を与えており、全身的な配慮も重要です。

歯と歯周組織だけでなく、全身状態や口腔機能を考慮した歯科診療が求められるようになったことで、歯科領域における東洋医学的アプローチの重要性も徐々に高まってくるといえます。また、オーラルフレイルには、複雑なリスク因子が関連していることも明らかになりつつあります。

本学術大会は九州地区の会員が一丸となって準備を進めております。多くの先生方のご参加と熱心なご討議をお待ちしております。