会長挨拶

 令和3(2021)年4月から、日本歯科東洋医学会会長を拝命しました九州歯科大学名誉教授の柿木保明です。伝統ある本学会の会長に着任して、身の引き締まる思いです。

 この学会は、地域の臨床現場で活躍されていた先生方が中心となって設立されて運営されてきた学会ですが、人口動態や生活環境の変化も相まって、時代の流れとともに、大学教育においても東洋医学の重要性が理解されてきました。そのため、2017年には、歯科医学教育においても、モデルコアカリキュラムに和漢薬が明記され、漢方薬の知識が必要とされるようになりました。さらに、歯科医師国家試験にも、和漢薬に関する出題が予定されることになりました。

 欧米においても、医学部とは別に伝統医学をベースとした「自然療法医学部」の設立がすでに進められてきています。古くは、中国、台湾では、中医師を養成し、韓国では韓医師を養成していますが、我が国では、多くの医師、歯科医師が免許取得後に東洋医学の研鑽を行い、日常診療における臨床効果について報告しています。

 鍼や漢方薬の臨床的効果等についても、西洋医学的手法により徐々に明らかにされてきました。コロナ禍で、世の中も感染症に対する配慮が重要になっています。本来、東洋医学は、身体の免疫力や抵抗力を正常に戻して、病気に対する力を発揮することも役目です。
 歯科診療においても、東洋医学の知識と技術を応用することで、今後、効果的な治療を進めることができるようになると思われます。本学会でも、認定医を養成し、各地で学術講演会や研修会を開催して、知識と技術の普及に努めています。また、学会としても、歯科臨床に役立つ東洋医学の応用について提言を進めていきたいと考えています。

 皆様の今後ますますの本学会に対するご支援とご協力を、よろしくお願い申し上げます。

日本歯科東洋医学会
会長 柿木保明