学会通信 第17号


会長あいさつ 会長 高橋一祐

これまでの経過とこれからの進展

昨年4月に本学会の執行をお受けしてから1年を経過しようとしています。今回はこれまでの経過とこれからの方向性について二、三述べてみたいと思います。
昨年11月に開催された第23回学術大会は、大会長 鶴見大学歯学部の森戸光彦教授、準備委員長 椋梨兼彰先生の下で開催され、特別講演、教育講演、招待講演に加え一般講演が26題の多きを数え、多岐にわたる研究発表が行われ盛会を極めました。学術大会の盛況は学会の評価にも繋がるものであり、今回のご努力に対して関係各位に改めて深甚なる謝意を表します。なお、より多くの会員諸先生に学術大会に参加してもらう一つの案として、現在かなりの高額になっている当日会費を会員に限り‘ゼロ’にしたらとの発想があります。特別講演や興味ある研究分野の発表などを気兼ねなく自由に聞くことができるので、勉強される先生には誠に有利な提案ですが、年会費との関係もあり、慎重に検討したいと思っています。

学術研修は前回この欄で説明したように、入門的なものと応用的なものと2つの柱を立てて実施していますが、先生方のご理解とご協力を得て定着しつつあります。是非ご参加下さい。
昨年11月の理事会でご承認をいただいた歯科東洋医学の入門書の編纂については、本学会の常任理事でもあり、東洋医学を学生に講義している長崎大学大学院の戸田一雄教授を中心に検討しています。会員の先生方、認定医を目指す先生方はもとより、一般臨床医の先生にも参考になるものをと思っています。

その他、情報を伝達するためのホームページの一層の活用。支部との連携を緊密にするための支部活動費の捻出、できれば予算化。また、学会内に研究部会を設けて、たとえばサプリメントについて個々に研究されているのを学会が支援して情報の収集や研究活動の推進が図れないかなど、可能なものから少しずつ実行していきたいと思っています。会員諸先生のご協力をお願いするとともに、ご意見をお寄せ下さい。

第24回日本歯科東洋医学会学術大会のお知らせ

2006年研修セミナーのご案内

第23回日本歯科東洋医学会学術大会の終えて

[第23回大会長:鶴見大学歯学部高齢者歯科学講座 森戸光彦]

 私にとってほとんど未知であった「東洋医学」の世界に、学術大会長という名誉ある立場を頂いたことで、一気に引きずりこまれてしまいました。西洋医学の考え方では、到底理解し得ない事柄でも、次々と発表される演題を聞いていると、不思議と納得できた気分になるものだと、自分ながら感心した次第です。もちろん不勉強なゆえに判然としない部分も数多く残っています。

「動・食・美」を大会テーマに、特別講演として斎藤一郎先生に「口腔から考える抗加齢(アンチエイジング)医学の実際」と題してご講演頂きました。釜野安昭先生には、「全人的医療型心療内科における東洋医学併用療法の実際」と題して教育講演をして頂きました。さらに招待講演として、中国の戴昭宇先生、王恵寧先生にはそれぞれ「中国の歯科事情」「温州医学院と中国中西医結合的歯周病研究の近状」をご講演頂きました。一般口演は26演題もご応募頂き、ぎりぎり目一杯の時間を使わせて頂きました。紙面を借りて、心から御礼申し上げます。市民公開講座では、田中宏暁先生に「ニコニコペースの健康づくり」、田中喜一先生には「おもいっきり食文化」、北川 毅先生に「健康と美と東洋医学―健康にやせるために―」をご講演頂き、多数の会員参加に加え、一般市民にもご参加頂きました。業者展示も盛況で、本学会が魅力高いものであることを認識させられました。開催にあたり神奈川県歯科医師会4,000名の会員にも周知させて頂き、横浜の地での開催に盛り上がりを添えて頂きました。

近年、私が担当する高齢者歯科の外来では、摂食嚥下障害や通院困難な患者さんが増加しています。ドライマウスで悩んでいらっしゃる患者も多く訪れており、機能の改善や免疫力の向上は避けて通れない状況です。外来中心で発展してきた歯科医学の考え方だけでは、これらの患者さんへの適切な対応法は不十分であると気付かされます。

健康増進法の施行も相まって、一般市民の間でも健康に対する意識が向上しているようです。1960年代から1970年代にかけて、成人病から生活習慣病へと認識が改められ、その後約30年を経過して、やっと病気や老化が本人の努力によって、制御できるということが浸透し始めたように思えます。私たち医療に携わるものとしては、それらの国民的ニーズに応えていく責務を担っていることを自覚し、一層の研鑽を積まなくてはなりません。さまざまな角度から検討を加え、信頼される歯科医療の向上に努めたいものです。
末筆ながら、大会開催にあたりご助力ご助言を頂いた諸兄、とくに準備委員長を務めて頂いた椋梨兼彰氏にこころから感謝の意を表します。

支部だより

学会誌編集委員会報告

編集担当常任理事・学会誌編集委員会委員長 戸田一雄]

日本歯科東洋医学会誌第25巻第1・2号の論文投稿より、投稿規定を一部改定いたしますのでご連絡申し上げます。主な改定箇所は以下のとおりです。

原稿様式
 1.原稿は和文または英文横書きとする。和文原稿の場合、専門用語以外は常用漢字、新かなづかいとし、外国の人名、地名は原語とする。用紙は原則としてA4判400字詰原稿用紙を使用する(20字×20行、400字)。なお、ワープロ原稿の場合も20字×20行で打ち、行間は必ず1行分あけること。英文原稿はA4判用紙を用い、ダブルスペースでタイプする。【下線部を変更・追加】
 2.図、表は原則としてキャビネ判白黒に紙焼きしたものを別に添付し、本文中に挿入されるべき位置を明示しておく。裏面に天地、著者名を記入する。不鮮明な図は編集委員会でトレースにまわす(有料)。【二重線部を削除】

 なお、日本歯科東洋医学会誌第25巻第1・2号は、平成18年3月末日原稿締切、平成18年8月末日発行予定です。先生方のご投稿をお待ちしております。

賛助会員の増強について [業際担当常任理事 永山正人]

学会の財務状態の安定化は、学会の活動、発展のためには重要なことです。
そのためのひとつの方法として賛助会員を増強することと考えます。
特に会員の皆様と取引している業者で業務内容の良いところには、是非賛助会員になっていただきたいと存じます。会員の皆様のご推薦をお待ちしています。
そのためには、賛助会員になることのメリットを説明したパンフレットを事務局に作っていただこうと思っております。でき次第ご案内いたします。