学会通信 第10号


会長あいさつ 会長 岡村興一

医院の活性化
「脈」触れ合い運動“CountからSoundへ”

 21世紀は東洋の世紀になるといわれていますが、医療の考え方の枠組みも東洋的なものへとシフトしていくと思われます。「自然と調和するシステム技術を導入した医療」、「大衆主体のサブカルチャーとしての医療」、「自己自律のためのコミュニケーション医療」といった3つの流れは、それぞれ医療における技術向上、領域拡大、意織変革という3つの側面に対応したものですが、東洋医学はそのすべての側面における基本的(根本的)概念および方法論を提供してくれると思います。人間と自然との不可分性を示す“統一整体観”、医療は大衆の利益のためにあるという“裸足の医者”の歴史、他者依存から自律養生による“自身自医”への道は、数千年に及ぶ東洋医学の基盤となっています。
 日常の歯科臨床における東洋医学の応用は、今や必須のものといっても過言でないと思います。応用の方法や導入のスタイルにはさまざまあろうかと思いますが、東洋医学の基礎といえる診断法(四診法)は重要で、冒頭に述べた3つの側面を包括する臨床技術の入り口としてもたいへん価値のあるものです。なかでも脈を診る行為(脈診)は、患者さんと直接皮膚感を通じてコミュニケートするシステム技術としてもっと一般化すべきだと思います。いきなり難解な脈診法の本を読んで混乱する前に、まず患者さんの脈に触れる。
 そして素直にその脈の変化を感じる。1分間の脈数を数える(count)だけでなく、脈音が聞こえる(sound)感覚を得る…。
 われわれの脈診の技術水準がどこにあっても、その一連の行為によって与える患者さんへの精神的・肉体的プラス効果は想像以上のものです。もしすべての歯科医がすべての患者さんの脈に触れ双方がコミュニケートした場合、その社会的・経済的影響力は想像を絶するものとなるでしょう。厳しい厳しいといわれる医療環境のなかで、「脈」触れ合い運動“countからSoundへ”の実践は、医院活性化の強力な武器となるでしょう。

■診を善くする者は、色を察し脈を按して、まず陰陽を分別する(「皇帝内経」素問 陰陽応象大論)
■能く脈色(脈診と色診)を合わせられれば、もって万全とすべし(「皇帝内経」素問 五臓生成篇)

第20回学術大会のご案内

実行委員長 植木 稠

~時空を超えて~

会 期: 平成14年11月9日(土)、10日(日)の2日間
会 場: 大阪国際会議場 12階 特別会議場(大阪市北区中之島5)
大会長: 古跡養之眞(大阪歯科大学 学長)
懇親会: 会場/大阪リーガロイヤルホテル
出演/バイマーヤンジン(チベットの女性美人歌手)

演題申込み期限: 平成14年8月31日(土)(必着)
         ※演者、共同発表者ともに学会員に限ります。
事前抄録提出期限: 平成14年8月31日(土)(必着)
事前登録締切日: 平成14年9月30日(月)
登録料 9月30日まで(かっこ内は10月1日以降)

・正会員12,000円(15,000円)
・準会員5,000円(8,000円)
・非会員20,000円(25,000円)
・会員同伴者7,000円(10,000円)
・懇親会費10,000円(12,000円)
登録料は郵便振り込みにて下記口座にご入金ください。
口座名称/第20回日本歯科東洋医学会
口座番号/00970-9-95485
宿泊・航空券のご案内:学会通信同封のご案内(第2報)をご参照ください。

準備委員長: 植木 稠 関西支部長
準備委員: 英保武志…会計担当
河野 渡…幹事担当 学会会場、商社展示、懇親会関係
久保茂正…学術担当 プログラム、抄録審査・採択・掲載
関西支部会員…会場運営
特別講演:鄭 為堯 先生(日中健康医学研究会会長、TAO東洋医学研究所副会長)
      「口腔科疾患の漢方的アプローチ」

久保道徳 先生(近畿大学薬学部教授)
「歯周病と漢方」

森 秀太郎 先生(大阪鍼灸学校元理事長、森ノ宮医療学園専門学校名誉理事長)
「私の口腔における鍼灸治療」
カールベッカー先生(京都大学総合人間学部教授)
「東洋思想から東洋医学へ」

事務局:ABO歯科クリニック
     〒530-0001
     大阪市北区梅田3-3-45
     マルイト西梅田ビル205-1 ABO歯科クリニック内
     第20回日本歯科東洋医学会学術大会事務局
     tel 06-6344-4184 /fax – 4177
     事務局長/英保武志、実行委員長/植木 稠
     学術担当/久保茂正、庶務担当/河野 渡

※この他の詳細は「学会通信第9号」同封のパンフレットを参照ください。
演題申込書、抄録原稿用瀦、郵便払込用紙、登録申込書はパンフレットに 綴じこみのものをご使用ください。

 Mrs.バイマーヤンジン様の御活動の概略
チベット出身です。中国国立四川音楽大学声音楽部でチベット人初の本科生として西洋オペラを専攻・卒業され、来日。商社マンの日本人男性とご結婚されて4年目。大阪吹田市在住。日本語は日本人より堪能。正確な発音。話も実に興味深く上手。美しくてカラフルな衣装でご出演されます。母国チベットに小学校を建設するために(既に数校が開校)各地で歌を披露し、その謝礼金で推進されています。従ってこの出演料は皆その建設費用に充当。自己の営利を目的とされて居られません。チベット医学についてご自分で病気を治して貰った時のその効能、効果等についても少しお話してくださる予定。

 <バイマーヤンジン プロフィール>
チベット出身。名前はチベット語ではぺマヤンジェ、「ハスの花にのった音楽の神様」の意味。
7歳の時からチベット民謡と舞踏を始める。中国国立四川音楽大学声音楽部でチベット人初の本科生として西洋オペラを専攻。卒業後同校専任講師に就任。中国各地でコンサートに出演。
1994年来日後、広島アジア大会を始め、韓国ソウル、済州島での音楽祭、APEC大阪大会、阪神・淡路大震災救援演奏会、障害者チャリティコンサート等に参加し、99年夏にはアメリカのアーカディ音楽祭出場。ニューヨーク国連本部コンサート公演も果たす。

また、日本でただ一人のチベット人歌手としてチベットの文化、習慣を紹介するため、積極的に小・中・高校やいろいろな国際交流イベント、シンポジウムでも公演を行い、これらの模様はテレビ、ラジオ、新聞でも大きく取り上げられ、98年3月にはNHKで特集番組も放送された。
現在は教育を受ける機会が少ないチベットの遊牧民のため、小学校を建てようと日本全国で講演会、コンサート活動を行っている。
是非ご覧下さい→HP http://www1.odn.ne.jp/ccb79800/

平成14年度研修会 (StageI・II)のご案内

学術研修企画委員会委員長 松本 英彦

最近の編集作業について

会誌編集委員会委員長 戸田一雄

日本歯科東洋医学会誌の編集委員会は現在のところ年1回開いております。年1回の不十分さを補うためにEメールを有効に使い、委員相互の連絡をとっています。
さて、編集委員会の場では論文の査読が主な作業となります。その際出た査読者の意見を添えて一度著者に戻すことを原則としております。論文を書くことに不慣れな会員諸氏もぜひ投稿してみてくたさい。
21巻1・2号(2002年8月31日発行予定)では総説2編、原著3編を中心に力作が並びます。
なお投稿料は次号22巻1・2号から投稿規程に従い負担していただくことになりますので、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

最近の医療・歯科医療に関するトピックス  認定医認定委員会委員長 萬屋 裕

1.医療における広告規制の緩和について厚生労働省は、2002年2月20日広告可能事項を拡大する案をまとめ、改正内容を決定し、年度内には大臣告示を行います。施行期日は4月1日。日本歯科東洋医学会は 資格認定団体としては かなり厳しい要件を必要とされます。本会としても今後の重要な検討事項と考えられます。

2.東京医科歯科大学医歯学総合研究科における教育研究組織の歯学領域、口腔機能再構築学系、口腔機能再建学の専攻分野名の中で、口腔東洋医学が科目の中の一分野として大きく取り上げられました。

3.歯科医業の範囲については、歴史的にみますと、法的には歯科医師法が制定されるまで、歯科医師は医師の一種でありました。戦後、昭和23年に国民医療法が解体され、現在の医師法・歯科医師法が制定され医業と歯科医業が区分されるに至りました。今後本会としても歯科医師法第1条、第17条を中心に歯科医業の範囲について十分検討し、臨床の現場の声を反映していかなければならないと考えられます

支部だより 総務部部長 沼 智博

賛助会員紹介

(株式会社 良導絡研究所)
統合医療推進の鍵を握る『健康食品』──。

 急性疾患の減少と慢性疾患の激増傾向が顕在化したり1970年代から、医療界は大変革を迫られてきました。慢性疾患の発症の原因に鑑み、日本国厚生労勧省が『生活習慣病』と位置づけたとおり、従来型の疫学的な治療から、個々人の生活に立脚した「個の治療」が求められてきたからです。これに基づき、『生活習慣病』の予防と対策に代替医療が国際的に注目され強い要望が寄せられています。

 『日本歯科東洋医学会』の皆様が、いち早く代替医療を日常診療に導入なされたことに、深い敬意を表するものです。
 良導絡研究所は、良導絡理論が1950年に中谷義雄医博により提唱され、京都大学において「良導絡自律神経調整療法」が確率して以来、半世紀にわたり、「日本良導絡自律神経学会」と歩調を合わせ、一貫して代替医療の普及に邁進してきました。良導絡は今日、「鍼灸の科学化、組織化に成功した世界で初めてのもの」として国際的にも高い評価を受け、国内の大学・国公立病院を始め多くの診療所において応用されています。2000年には、中国の中国伝統医学(TCM)のアカデミーである「中国中医研究院針灸研究所」と研究・開発・教育・広報・友好等につき共同して行う協定を提携いたしました。今後ともより以上に、学会の皆様のお力になれるものと一層の努力を続ける所存です。

※新製品
 ・[NSV Keirrak-2000 DS-603]
  好評をいただいています「NSV-良導絡自律神経興奮性測定-経絡診断-システム」は、パソコンおよぴOSの発展に伴い[windows]で大幅にバージョンアップし、より使いやすく機能を向上させました。

 ・[NSV mini MD-21]
  廉価版のNSVとして新規開発。このシステムを用いネットサービスも行っています。カタログ・資料・デモ等のご要望は下記にお問い合わせください。

〈お問い合わせ先〉
 株式会社 良導絡研究所
 〒103-0021 東京都中央区日本橋本石町3-3-15 田所ビル
 TEL 03-3241-1032 FAX 03-3241-8046
 E-mail:rdr@ryodorak.co.jp
 URL:http://www.ryodoraku.co.jp/

会員紹介のお願い =1会員お1人=

会員開発部部長 大竹和行

学会会員数800余人。数年前から1,000人目標に入会を呼び掛けていますが、まだまだ到達には遠い状況です。
 2003年には、国際学会が初めて開催される予定で準備段階に入っています。「人と人との緑」「患者さんがより安心して受療できるための勉強」、いいかえれば「心の医療」を学び、感じとる学会です。

東洋医学というと「鍼」「灸」「漢方」のみと考えておられる先生が大多数を占めていますが、日本歯科東洋医学会が幡広い分野の学術・研修をし、魅力ある学会であることをPRしていただき、1会員お1人のご紹介、入会をおすすめ下さいますようお願い申し上げます。
なお、ご入会の際は学会誌巻末の「入会申込書」をご使用ください。